
オニババ化する女たち 女性の身体性を取り戻す
三砂ちづる著、光文社新書166、
2004年、253ページ、
ISBN 4-334-03266-4
読もうと思った理由
・題名を時々聞くが、読んだことがなかったので。
予習1分、PR1分、復習1分、
SR&D 43分(MMなし)
合計47分、
内容のメモと感想
・疫学の研究者であり、ブラジルで暮らした経験のある著者が、
女性の出産、授乳などについて述べた本。
・体に向き合う、というのは、なるほどと思った。
・若い人が結婚したがらない、出産したがらないのは、
親が結婚や出産をいいものだと思ってない、
両親の夫婦仲もよくないせいだというのは、
そうだろうと思った。
・著者はブラジル人と結婚したことがあり、
ブラジル人の大らかさについて書いていて興味深い。
例えば、大学生の姪が妊娠してしまったら、
親戚3人から、子供を育てるという提案があったらしい。
結局、彼女は結婚出産し、親の援助を受けて、
大学に元気に復学した。
日本だったら、勉学の邪魔になるので中絶、になりがちだ。
親戚ぐるみでのバックアップ体制、というのは、
強力そうだ。
著者は、中絶しがちな10代が、出産しやすいような
バックアップを提唱していて、もっともだと思った。
10代で出産して復学できるなら、10代の中絶が
減るかもしれない。
・ブラジルでは、家族や親子が、子供が大きくなっても
抱きしめたりするようだ。
日本で援助交際がはやるのは、
抱きしめてもらえないおじさんと若い人が
寂しいから、という分析も、
そうなのかもしれない。
・しかし、誰でもいいから相手を見つけて子供を作った方がよい、
という主張は、なかなか受け止めにくい。
子供を作ってしまって後悔する人、中絶する人も多い。
本によると、著者は2人の男の子の母親のようだが、
もし娘がいたとしたら、このような「誰でもいいから」
という話はしないと思った。
・題名の「オニババ」というのは、基本的には、
怖いおばあさん、おばさんという意味だろう。
特に女性に限った話でなくて、男性でも
満たされない状況にあれば、
近寄りにくい、オニジジ化するだろう。
既婚子供ありでも、オニジジ、オニババ化する場合がある。
著者もP.232で、「一億総オニババ化みたいな状況に
なりそうで心配な気がします」などと書いている。
オニババやオニジジにならないためには、
自分(身体を含めて)を好きになること、
満たされることだろうか。
・題名の「オニババ」をつけたのは編集者だろうか。
実にうまいネーミングである。
「オニババ」から受けるイメージを最大限利用している。
そもそも定義が不明瞭だし、誰に対して言っているかも
一億総オニババ予想があったりして、
この本の中だけでも、いろいろな使い方をしている。
そういう矛盾を含む言葉であるが、マスコミ受けするのだろう。
・この分野の1つの考え方として、
読んでおいた方がいい本なのだろう。